ゴールド価格は月曜日の早朝アジア市場で$2,620付近で取引されており、依然として史上最高値付近にあります。米連邦準備制度理事会（FRB）の積極的な利下げと中東での地政学的緊張の高まりが、伝統的な安全資産であるゴールド価格を押し上げています。
ゴールドは金曜日に新たな高値を更新し、水曜日のFRB会合後に記録された$2,600の過去最高値を上回りました。
テクニカル分析の原則である「トレンドは友」という言葉通り、長期、中期、短期すべての上昇トレンドに従ってゴールドはさらに上昇する可能性があります。
次の上値目標は、まず$2,650、その次に$2,700です。
日足チャートの相対力指数（RSI）によると、ゴールドはまだ完全には買われ過ぎの状態ではなく、さらなる上昇余地が残されています。
しかし、RSIが終値ベースで買われ過ぎゾーンに入ると、トレーダーにはロングポジションを追加しないように警告します。
もしRSIが買われ過ぎゾーンに入ってから抜けた場合、それはロングポジションを手仕舞いし、売却するサインとなり、より深い調整が進行中である可能性を示唆します。
調整が進行する場合、しっかりとしたサポートは$2,550、$2,544（9月の上昇の0.382フィボナッチリトレースメント）、そして$2,530（以前のレンジ高値）にあります。
ファンダメンタル概要
ゴールド（XAU/USD）は金曜日に$2,610付近で新たな史上最高値を記録し、世界の中央銀行がFRBに追随して政策緩和を進め、金利を引き下げるとの期待が高まっています。金利の引き下げはゴールドにとってプラスです。金利の支払がない資産を保有する際の機会費用が減少し、投資家にとって魅力が増すためです。
水曜日のFRB決定後、南アフリカ準備銀行（SARB）は木曜日に主要金利を25ベーシスポイント（bps）引き下げました。これは2020年のコロナパンデミック以来の初めての利下げです。フィリピン中央銀行も金曜日に金利を250bps引き下げ、7.0%としました。次回会合でインド準備銀行（RBI）もFRBに共感して金利を引き下げるとの予想が広がっています。
中国人民銀行（PboC）は、金曜日の9月の決定会合で主要貸出金利を据え置きましたが、1年と5年の貸出最優遇金利（LPR）はそれぞれ3.35%と3.85%という過去最低水準にあります。これは7月のサプライズ利下げによるものです。日本銀行（BoJ）は金曜日の会合で金利を据え置きましたが、利上げの可能性があるとの一部の予想がありました。
ゴールドが過去最高値を更新
ゴールドは水曜日にFRBの決定後に記録した$2,600の過去最高値を上回り、新たな高値を記録しています。この会合で、米国中央銀行は0.50%の利下げを決定しました。
ただし、FRBの米国経済成長に対する概ねポジティブな見通しにより、ゴールドの上昇は抑えられました。FRBは2027年末まで年率約2.0%の安定した成長を見込んでおり、これが「ソフトランディング」シナリオを示唆しているため、投資家のセンチメントにはポジティブな要素が含まれています。しかし、これは安全資産であるゴールドにはネガティブな要素となる可能性があります。したがって、ゴールド価格はピークを迎えた後すぐに下落しました。
一方で、中東における地政学的リスク回避の高まりが、安全資産への資金流入を支えている可能性があります。イスラエルがレバノンでヒズボラのエージェントを排除・負傷させるために、爆発性のあるページャーや無線機を使用したことにより、中東紛争のエスカレーションリスクが高まっており、これがゴールド価格を支えている可能性があります。
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