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XAU/USD（金価格）は、0.05％上昇して2,493ドルとなり、日中の安値である2,471ドルから反発しています。この上昇の背景には、米国の予想を下回る雇用データがあり、これがFRB（米連邦準備制度理事会）の9月の会合で50ベーシスポイント（bps）の利下げを行う可能性を強めたためです。特に、米国の求人件数（JOLTSレポート）が大幅に減少したことが、この憶測を加速させました。求人件数は、6月の7.910百万件から7.673百万件へと減少し、2021年1月以来の低水準にまで落ち込んでいます。
これに伴い、米国債利回りが低下し、10年債利回りは3.776％まで約6bps下落しました。金と逆相関の関係にある米ドルも軟化し、金の価格上昇を後押ししています。米ドル指数（DXY）は年初来安値から一時的に回復しましたが、セッション中に0.37％下落し101.38となりました。
しかし、セッションを通じてトレーダーの利益確定による変動が見られ、金価格は上下動を繰り返しました。特に米国の景気後退リスクに対する懸念が高まり、市場全体のセンチメントがネガティブな状態にあることが、金価格のボラティリティを引き起こす要因となっています。それでも、金は安定的に取引され、再び2,500ドルに迫っています。
今後、金市場ではさらなる米国経済データの発表が注目されています。特にADP全国雇用レポートや失業保険申請件数、非農業部門雇用者数（NFP）の発表が控えており、これらのデータはFRBの金融政策の見通しに影響を与える重要な指標となるでしょう。CMEのFedWatchツールによれば、FRBが9月の会合で50bpsの利下げを行う確率は43％に上昇しており、市場ではFRBが景気後退リスクに対処するために利下げを加速させる可能性が議論されています。
テクニカル面では、金価格は2,500ドル付近での取引が続いており、買い手がこの水準を上回る日足終値を達成すれば、次のレジスタンスは史上最高値の2,531ドル、さらには2,550ドルが視野に入ります。逆に、2,500ドルを下回る場合、8月22日の安値2,470ドルがサポートとなり、さらにその下には4月12日の高値がサポートに転じた2,431ドルが存在します。
現在、米国経済のリセッションリスクが高まる中で、金は安全資産としての需要が増加しており、今後の経済指標次第ではさらなる上昇が期待されます。特に、米国の労働市場やインフレデータの動向が、FRBの利下げペースや金価格の行方を左右する重要な要素となるでしょう。
